2015年 02月 08日
ドキュメンタリー番組「THE DUST BOWL」
本日は、アメリカの歴史をよく知りたい、さらにその背景をもっと見てみたい・・と思っている方に、是非見てもらいたいドキュメンタリー番組をひとつご紹介します。アメリカではよく知られているドキュメンタリー番組のディレクターである「Ken Burns氏」の作品のひとつで、
にほんブログ村
-(ダストボウル)2012年作品-
ドキュメンタリー番組が大好きなKAOとしては、このシリーズを見始めてから、完全にはまってしまいましたね。
専門は違いますが、なんとなくBBCのDavid Attenborough(デイビット・アッテンボロー氏)のドキュメンタリー番組を思い起こさせる感じがします。彼の作品・番組名には必ずタイトルに「Ken Burns(ケン・バーンズ)」の冠が入りますので。
彼はこの他にも多くの番組を作っており、そのほとんどがアメリカの歴史や実在した人物などのドキュメンタリーで、いずれも秀作ばかりです。(彼の作品リストは「KEN BURNS AMERICA」のウェブサイトにて、ご覧ください。)
・・・で、そんな数あるドキュメンタリー番組の中で、なんでまた「THE DUST BOWL」なのか・・と言いますと、昨年上映された映画「Interstellar(邦題:インターステラー)」の冒頭で流れた巨大な砂嵐のシーンと、その経験者達の回想録・・これらすべてが、このドキュメンタリー番組「THE DUST BOWL」からのものだからです。
そう、事実なんですよーーっ!!(大声で言いたいっ!)
映画「Interstellar」の中では、この「ダストボウル」は、いわゆる本来の意味とは全くかけ離れたものなってましたが、これ実際に1930年代のアメリカで起こった自然現象なんです。映画はそれを利用して・・いや、アイディアだけをいただいたものなんでしょうが、このドキュメンタリー番組を知っていたKAOとしては、番組が素晴らしいだけに正直言って・・ちょっとーー・・・・がっかり半分・・って感じがしました。
ま、そんな「Interstellar」の話はさておき、このダストボウルは1930年代にオクラホマ州を中心に起こった、実際にあった自然現象で超最大級の砂嵐のことを呼びます。
小麦の単価が上がり、開拓ブームで湧くアメリカ。
それは「Great Plains(アメリカ大平原)」に位置するオクラホマ州、カンザス州などでも同じことで、多くの農民達がさらに利益を上げようと、木を伐採し、土地を起こし、どんどん農場を広げて行きます。しかし、これらを長年に渡って行っていった結果、土地が痩せ乾燥し、乾いた土がダスト(砂埃)となり、さらには突風が突風を巻き込み、遮るものない平原を横切り、巨大な砂嵐となって村を襲い始めます。
実際の映像を見てもらえばよくわかるのですが(写真も同じく)、その巨大な砂嵐が村を襲う様子は、ドラマなんてお呼びじゃないくらい迫力があります。しかしながらこの砂嵐の正体は長い間、誰にもわからず、そこから約10年間に渡って人々は苦しめ続けられるのです。さらに、折りしも「世界恐慌」と重なってしまい、小麦が暴落、さらなる危機にさらされます。
ドキュメンタリーは、その農家ひとりひとりにスポットを当てて、土地を捨ててよそへ移った者、残った者、それぞれの人生を追っていきます。
そうした農民達の様子を映画にしたものが、1940年に作られたあの有名な映画
「John Steinbeck(ジョン・スタインベック)のThe Grapes of Wrath(怒りの葡萄)」です。
また、悪いことは重なるもので、長い間の砂埃生活で気管支炎が蔓延し始め、多くの人達がなすすべもなく、亡くなっていきます。これは、映画「Interstellar」の中でも、やはり気管支炎をわずらった人達(家族)が出てくるので、同じ状況を表現しているのだとよくわかります。
こうやって、色んな映画に影響を与えて続けている「Dust Bowl(ダストボウル)」。
ドキュメンタリー番組を見れば見るほど、
事実は小説より奇なり
・・・と思わずにはいられません。
だからこそ、物語として多くの作品が生み出されてきたのだと思いますし、さらにその背景を知ることによって、色んな映画や作品をより身近に、そしてもっともっと楽しむことができると思います。
by hulahula2
| 2015-02-08 10:08
| 映画・ドラマ日記
|
Comments(4)